京都へ行こう(3)

竹林の途中で天竜寺へと続く分岐路を見つける。拝観料が必要であったが、猥雑な竹林から脱出できるメリットに天秤が傾く。500円の拝観料払って境内へ。

 

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綺麗に整備された庭園が目の前に広がっていた。季節が季節なので丁寧に植木されている樹には葉っぱ一枚も残っていなかった。きっと庭園全体が一番映えるのは紅葉シーズンだと思われるが、これはこれで枯れ木の趣というか情緒があった。

 

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曹源池庭園と呼ばれるとても美しい池。思わず見とれてしまいしばらく無心でこの場所の風景を眺める。とても心が洗われる。

 

天竜寺拝観後は一休みするため嵐山駅周辺で茶屋を探す。1日中歩いて疲れていたので、はやく店に入って休憩したかったが、適当な店がない。一々洒落た店が多い。野暮な孤男の私にとって、リア充ホイホイと化しているオサレな店々は不釣り合いだ。結局、店に入らない入れないまま嵐山駅周辺をうろつき、1時間経過。時間を棒に振る。足は棒になる。頭がぼーっとしてくる。あれ、何がしたいんだったっけ。

 

気が付くと見知らぬ店内にいた。疲れからか、どうやら無意識のうちに店の暖簾をくぐっていたらしい。洒落た店内。前方にはカップル。後方にもカップル。カップルオンリー。私はロンリー。メニュー表を見る。高い。抹茶一杯が700円もする。きっと高級宇治抹茶に違いない。団子がセットになったものを注文する。非常に場違いなところにいる感覚。周囲のカップルから監視されている錯覚。なんだか気分が悪くなってくる。帰りたい。帰ろう。出された半口サイズの小さな団子を、ただひたすらに苦い高級宇治抹茶で喉の奥へと流し込む。早々に店を立ち去る。

 

嵐山は冴えない独身野郎が訪れてはいけない。カップルとか、外国人観光客とか、あとカップルとか、女子(スイーツ系)、それからカップルしかいない。平日にもかかわらず、対になった男女の群れが三々五々道路を往来している魔境である。