仕事始め

月曜日から仕事始めだった。

目が覚めた瞬間、なんだか体が重い。今日からまた現実と向き合う日々がはじまると思うと、朝から憂鬱になる。寒さと憂鬱さでベットから離れようとしない自分の体にムチうって出勤する。

私の会社では仕事始め式というものがある。始業にあわせて社員皆が集まって、管理職のお偉方から有難い訓示を垂れてもらう。いつも始業時間ギリギリに職場に到着する私は、この日も安定した出勤タイムを叩きだした。結果、今にも式が始まりそうなしんと静まり返った会場を、一人空いている席を求めて彷徨う羽目に。気配を殺しながら、既に満席に近い席の間を縫うように歩く。時間ギリギリに来やがって、もっと早く来いよと訴えてくる会場の視線を一身に浴びながら、唯一空いていた一番前のど真ん中の席を目指す。着席から間を置かずに、式開始のスピーチが始まる。その開始の早さたるや「君が来ないから開始できなかったんだよ、そこのところわかってる?ねえ?」と言わんばかりの間髪の容れなさである。すいませんでしたと心のなかで反芻する。しかし、時計を見ると始業開始の2分前である。なんだ時間には間に合ってるじゃないか、早とちりしやがって、だいたい日本は時間に厳しすぎると、自己の責任を棚どころか大気圏外にまで打ち上げた。ふと、去年の記憶がよみがえる。たしか去年の式も遅刻ギリギリだったので、来年は早めに出勤しようと思ったっけ。打ち上げた無責任号は空中分解した。

毎年同じことを繰り返している。私は駄目人間です、すいません。来年こそは気をつけます。はい。